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時をかける少女 〈新装版〉

時をかける少女 〈新装版〉
筒井 康隆
おすすめ度 ★★★★☆


★★★★★ 2007-06-07 少女時代の“魔女おばさん”に何が起こったか? 永遠のジュブナイル。
貞本義行氏によるカバーイラストに魅かれて、久々に手にとってみました。

筒井作品としてはまったくの異色作ですが、と同時にもっとも有名な作品であり、映像化においても―質的にも、興行面でも―恵まれ、筒井氏に“孝行娘”と呼ばれている、この「時をかける少女」(1965年から66年にかけて、雑誌「中三コース」→「高一コース」で連載)。

考えてみれば、初の映像化だったNHK少年ドラマ『タイム・トラベラー』(72年)が放映された頃、“SFベストセラーズ”版の単行本でよく読んでいて、それ以来すっかりなじみのお話ではあるんですが、06年のアニメ映画版―キャラクターデザインは貞本氏―という大きな収穫を経て、いま改めて読んでみると、登場人物たちの言葉の中に見てとれる機微がなんともやさしく、あたたかいものに感じられました。ちょっとした言葉のひとつひとつも、相手を思いやる気持ちにあふれているんですよね。

一見、この原作から遠く離れているようにみえるアニメ映画版が、実は深いところで、この小説の“こころ”を大切にしていたことも、よく理解できました。

そして、オレとしては、筒井作品で育ったことを、改めて誇りに思いました。



同時収録の「悪夢の真相」は64年「中二コース」連載、「果てしなき多元宇宙」は67年刊行の単行本『時をかける少女』(この文庫版の原型)のための書き下ろし作品です。いわゆる“筒井作品らしさ”は、どうしてもないがしろにされがちな、これら2作の方により強く出ているように感じられます。収録されている順番にこだわらず、この2作から先に読んでみるのも、面白いかもしれません。



ロマンティックで、どこか懐かしくて、魅力的なジュブナイル作品集。

これからも、多くの若者たちに読まれていくことでしょう。

★★★★★ 2007-04-20 筒井のどたばたSFファンとしては
筒井のドタバタSFファンとしては、他の作品と比べるとかなり違いますが、この作品大好きです。何度も実写化されていますがどれも美しく、映画と同じく小説を読むと、ほのかに胸が甘くなります。

この小説読んだ筒井康隆ファンが大人になって新しいものをどんどん作っているのかと思うとうれしくなります。ただもっと筒井のどたばたSF読みたいな〜。最近の作家でおなじ感じなのは戸梶圭太(シルクロード少年ユート)とかでしょうか。

またSF書いてほしい・・・。

★★★★★ 2007-01-22 映画を見た後買いに走った。
2006年に公開された映画(アニメ)がとても面白くて、原作を思わず買ってしまいました。



確かに時代を思わせる台詞や描写が多々ありますが、そんなこと気になりません!映画版とは主人公のキャラが違い、これはこれで新鮮味がありました。私もこの小説が短編だと知って驚きました。でも結構内容は濃く感じ、それでいてしっかり少年・少女向けの小説であることを知って納得させられました。これを読んで映画も観たらより一層面白くなると思います。

★★★★☆ 2006-09-19 時をかける小説
少年少女を主人公にした3つの短篇が収められたジュブナイル小説集。

表題作は、何度となく映像化されてきたため長編小説だと思い込んでいたが、100頁あまりの短篇だということに驚かされた。巻末にこの作品の出自が載っているが、収録された作品の初出はいずれも少年少女向けの雑誌だったということで納得した。

これら少年少女たちのまっすぐな気持ちがあらわされた作品は、主人公たちと同じ年代からは共感をもって受け入れられ、大人には懐かしさをもって受け入れられるだろう。

言葉づかいや登場人物の名前に時代を感じるところもあるが、好奇心をかき立てるSF仕立ての作品そのものが持つ物語の面白さは、現在でも風化することなく健在だといえる。

★★★★☆ 2006-09-13 憧れは世代を越えて
 昭和51年刊行。ルーカスの「スター・ウォーズ」、エンデの「はてしない物語」さえ世に出ていない時代。

 当時まだ生まれてもいない私にとってはちょっと古い感覚の小説だったが、1世代前、「時をかける少女」を読んでタイム・リープ(時間跳躍)や、パラレルワールド(多元宇宙)に憧れた少年少女の気持ちは、分かる気する。

 こんな体験をしてみたい。日常の中で、和子のように時をかけられたら、自分は何をしてみるだろう。つい、そんなことを考えてしまう。

 幾度のドラマ化、そして劇場版を経て、ついに世代を越えた。この作品は、タイムリープでさえ起こせない奇跡を、未来に運び続けている。

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