告白
告白おすすめ度 ★★★★★
★★★★★ 2008-10-12 読み進めずにはいられなくなります
これは面白い。1ページ、また1ページと読み進めずにはいられなくなる作品です。
子細な点がほとんど気にならない程、著者の力強い腕力でグイグイと引っ張られる様な快感に身を委ねたまま一気に読んでしまった。
ストーリーの現実味から言えば読後感の悪さと言うよりも、むしろ腕力を緩めず一気に最後まで自分を付き合わせた著者に対して「してやられたな」という爽やかな敗北感を感じます。
★★★☆☆ 2008-10-12 設定が無理やりすぎる
それぞれの視点から事件を眺め、それが絡み合っていく構成は面白いが、とりあわけ新しさを感じさせるものではない。なにより、登場人物の設定が無理やりすぎるので、現実味がまったくないし、感情移入もできなかった。書店や、ここでの評判が良かっただけに残念。
★★★★★ 2008-10-12 薄ら寒い怖さ
話の展開の仕方が独特で、今まで読んだことのない話の進め方でした。
子供が亡くなった事に関わる人々をそれぞれ中心にして、章が区切られています。
そのため、それぞれの「告白」による、それぞれの目線から事件の真相が、読み進めるうちに明らかになっていきます。
あっと言う間に読んでしまうほど、話に入り込めましたが、読み終わった後は、後味の悪い、薄ら寒い怖さを覚えました。
昨今、このような事が現実にありそうで怖い、そんな印象も持ちました。
話の構成、展開の仕方が面白いので、もう一度読み返したいけれど、
話自体は怖いので読み返したくない、そんな1冊です。
★★★★★ 2008-10-11 面白かったです!
まず本をほとんど読まない私にも読みやすい文章です。語り口調だからでしょうか。
殺人事件が起きると「信じられない。」という人がいますが私はいつも
「人間とはそういう一面もあるだろう。」と思います。共感はできないが理解はできる。
自分だけは100%絶対そんなことはしない、なんていう人のほうが私は信じられません。
自分だけはまともだ、というおごり。
人間の心にわずかながら潜む「狂気」。
それがある事件をきっかけに噴出する様がリアルなのです。この作品は。
事件が起きた原因は本当に些細なこと。
何かが少し違えば平穏な日常が続いていたかもしれない。
フィクションではありますがリアルな感触を含んだ作品だと思います。
主人公たちがそれぞれの視点で「告白」していく。
同じ出来事でも告白する人が変わればとらえかたが全然違う。
なんとなく見えていた事件の全貌が段々と見えてくる。
そして驚愕のラスト。
狂気じみてるけど彼女の倫理観はわからなくもない。
不思議と後味悪くは感じませんでした。
現実世界の人間のほうが何を考えてるかわからないから怖い。
あとは「熱血やんちゃ先生」というネーミングは単純にウケました。w
ちょこちょこ笑える箇所もあったような気もしたんですが作者の意図なのでしょうか?
★★★☆☆ 2008-10-09 確かに面白いが、この陰鬱さはどうも、、、。
今、話題の小説である。割と大きな書店に行けば、必ずと言っていい程目立つ箇所に、煽情的な売り文句と共に平積みされている。随分前に購入していたのだが、出だしの挑発的な文章に中々読み進む気が起こらなかったが、ようやく読了した。
物語は、とある中学の一クラスの終業式の日、その日を最後にある事情から退職する女教師の驚くべき告白から始まる。彼女の仕掛けた“罠”に翻弄される当事者とその周辺の者たち。チャプター毎に語り手が替わり、この反社会的かつ反倫理的で暗鬱に満ちた世界が創出、連環されていく。
確かに面白い。嫌悪感を抱きながらも、彼らの独白ぶりについつい引き込まれてしまう。でも、何なんだ、この殺伐さと悪意の結晶は。
子供の深層心理がメインに扱われているが、ここに登場する者たちの、正にグロテスクでデフォルメされたエゴと自意識の肥大化は、現代人が潜在的に持ちあわせているような“負”の部分で、それが何らかの拍子に臨界状態となり噴出する事への恐怖を感じながら、ラストの救いのなさと後味の悪さに辟易してしまった。
文学の世界である。どんなに暴力的であっても反社会的であってもいいが、この陰湿さはどうも、ね。
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50代からの選択―ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか
50代からの選択―ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか (集英社文庫 お 66-1) (集英社文庫 お 66-1)おすすめ度 ★★★★☆
★☆☆☆☆ 2008-10-09 いまの会社をしらないひとに助言はできない
出世街道からはずれた 50 歳前後の社員は定年まで「会社の中にはもはや役割はない」と著者はいう.しかし,そういう社員をやめさせることができればべつだが,ひとをそういうふうにしかつかえない会社はこれから,いきのこっていけないだろう.著者は 50 歳をすぎた私がいまもつとめている会社を 28 歳のときにやめたが,すくなくともいまのこの会社はそんな会社ではない.そういう著者に 50 代まで会社づとめをしてきたひとに助言することはできないだろう.
「すばらしい創業者でも高齢になると大変革は難しい」,「定年後の起業は勧めない」などなど,ネガティブなすすめのオンパレードだ.大前研一からそんなことばをききたいひとがいるのだろうか? うまくいかないときは仕事をリセットしようというのはよいが,それ以外は最低の本だ.
★★★★★ 2008-05-01 40代で読むことをお勧めします
30代の、まだ現状の環境でファイティングポーズをとることに意味がある世代は今の道を進むべきである。
40代の、「上に行く要員」が自分ではないことがかなり明確に見えてきた人々は、50歳になる前にこの本を読むべきである。
上に行けない人々が50歳を過ぎて気力を失わざるを得ない企業文化には、かねがね疑問を感じていた。そんな50歳にはなりたくない、という自分の強い思いと大前さんのアドバイスに、かなり高い整合性を感じた一冊であった。
残念ながら大企業は、社員の処遇を10数年もひた隠しにする悪い習性を持ち、気がつくと手遅れになってしまう人が多い。この本は、手遅れになる前の40代サラリーマンに、希望と活力を与える可能性を秘めた一冊である。
★★★★★ 2008-03-01 50代前半の人のための本
著者の自慢話と受け取られかねないエピソードも多いけれど、実績のある方だから、却って説得力があります。
まさに50代前半の人のために、その後の人生を充実させる方法が書かれています。私自身がその年齢層で、その先を生きるために必要な著者のいう「成仏」は果たしていると思います。いずれにしても大前研一という人の考え方にはいつも感心させられます。
しかし30代、40代の人はこの本を読んだら落ち込むことは確実です。
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READING HACKS!―読書ハック! 超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣
READING HACKS!―読書ハック! 超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣
おすすめ度 ★★★★☆
★★★★☆ 2008-10-13 シリーズならではの手法
「HACKS」シリーズならではの読書の楽しみ方が学べる本だと思います。
これまでの読書の本や速読の本のように、「本の読み方」を述べている
箇所は少なく、どちらかと言えば、「読書を楽しむための方法」や、
「知っていると便利な読書関係の情報」を中心に書かれています。
さまざまなウェブサイトも紹介されており、すぐにでも役に立つ情報が
満載でした。
★★★★☆ 2008-10-12 ほしかったモノの情報が掲載されており、参考になった
読書の目的:
読む技術について、よりよいヒントを見つけるため。また、HACKSシリーズは、IT面での真新しい情報がかなり掲載されていることがあるので、そのネタ集め。
読後感、感想:
書評の良し悪しについても、触れられており、読みやすく、相変わらず情報収集の時間効率に優れている。
「Webcat Plus」、「ブックダーツ」、「ブックストッパー」など、確かにすでに思い付いているけど、ほしかったモノの情報が掲載されており、参考になった。
帯にも紹介されている数々の読書本 (たとえば、『本を読む本』、『レバレッジ・リーディング』など)も、有用な情報でした。11冊中3冊は読んだことがあったが、読んだことのない本の中で、気になる3冊を購入する動機付けになりました。特に、"自分でものを考える習慣を忘れるな"という警鐘(けいしょう)が記されている『読書について』は、必読なのかと思いました。
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おすすめ度 ★★★★☆
★★★★☆ 2008-10-13 シリーズならではの手法
「HACKS」シリーズならではの読書の楽しみ方が学べる本だと思います。
これまでの読書の本や速読の本のように、「本の読み方」を述べている
箇所は少なく、どちらかと言えば、「読書を楽しむための方法」や、
「知っていると便利な読書関係の情報」を中心に書かれています。
さまざまなウェブサイトも紹介されており、すぐにでも役に立つ情報が
満載でした。
★★★★☆ 2008-10-12 ほしかったモノの情報が掲載されており、参考になった
読書の目的:
読む技術について、よりよいヒントを見つけるため。また、HACKSシリーズは、IT面での真新しい情報がかなり掲載されていることがあるので、そのネタ集め。
読後感、感想:
書評の良し悪しについても、触れられており、読みやすく、相変わらず情報収集の時間効率に優れている。
「Webcat Plus」、「ブックダーツ」、「ブックストッパー」など、確かにすでに思い付いているけど、ほしかったモノの情報が掲載されており、参考になった。
帯にも紹介されている数々の読書本 (たとえば、『本を読む本』、『レバレッジ・リーディング』など)も、有用な情報でした。11冊中3冊は読んだことがあったが、読んだことのない本の中で、気になる3冊を購入する動機付けになりました。特に、"自分でものを考える習慣を忘れるな"という警鐘(けいしょう)が記されている『読書について』は、必読なのかと思いました。
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マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術──連鎖崩壊時代の「実践・資産透視学」
マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術──連鎖崩壊時代の「実践・資産透視学」おすすめ度 ★★★★☆
★★★☆☆ 2008-08-18 独自の相場観で、サブプライム後の世界を読み解く
サブプライム問題はまだ終わっていない。これから、本格的な世界金融恐慌に突入する。その時こそ、「金」がチャンスである。
金鉱山を経営し、長年恐慌研究を続けてきた著者が、サブプライム問題後の経済動向を踏まえ、今後の世界経済を予測する一冊。
データ出展が明確でない部分が所々見受けられるが、新聞・雑誌だけでは読み解くことの出来ない生きた情報が、本書には詰まっている。
★★★★☆ 2008-07-16 面白いですね。
面白かったです。たしかに60年に一度のチャンスなのでしょう。著者の言うとおりに、分散投資などという「古い」投資哲学は、大金持ちにだけ許された贅沢なんでしょうね。こんな皮肉なブラックユーモアまがいの言説をちりばめたベストセラーが日本で大衆向けに昨年に生み出されているのは皮肉な現象です。著者によるアメリカの現状の解説は見事です。そう賞味期限切れの欧米中心型金融システムなんでしょう。1980年に始まったこの流れは仕組みとしてはとうとう自滅したのです。もっとも混乱の中で自滅されては、米国外への影響が大きすぎます。そう銀行から100万円を借金して返済できなければ銀行に殺されますが、1兆円を銀行から借金できたら、逆に銀行の運命は借り手が握っています。そしてsovereign wealth fundsによる出資はこのゲームの中での「追証」のような存在なのです。でも危機の規模が拡大し、とうとうGSEにまで及んできた現在のアメリカの金融システムの危機を救える資本の出し手は、時価会計をしなくていいアメリカ政府だけです。でも、著者が指摘するように、おそらく日本からのrescue pacakgeも最後の段階には待ち受けているのでしょう。もう誰も覚えていないけど、ちょうどSL危機の露呈する直前の20年前(1987年)にも、経営危機に陥ったアメリカの金融機関BOAに総額で約1000億円以上のrescue pacakgeとしての資本協力が日本の金融機関によってなされました。今回は当時に比べて規模も大きくなっているため、日本の民間金融機関だけではなく、おそらく郵貯銀行も含めて10兆円規模の「資本協力」が「純投資」という名目でなされることもありえるのかもしれません。この純投資を正当化する外観をまとった「仕組み」はまた頭のいい人が考え出すのでしょう。中国パッシングの部分も面白く読めました。ところでオコナーの買収は新UBSの誕生後ではなく、SBC時代の話です。
★★★★★ 2008-07-15 なるほど、こう読み解くのか!
金山を持っている人物ゆえに、著書の結論は基本的に「金と金鉱株」というポジションで一貫している。しかし、それでもなお本書が秀逸なのは、我々を取り巻く現在の不確実な状況をどう読み解くことができるか、その明確な視点を提示している点にある。だれでも事実を見ることならできる。そして、サブプライムショック後、新聞・テレビで関連する経済情報・記事・ニュースは増えた。たしかに事実は事実と知っている。しかし、その断片の事実を全体で読み解き、半歩先の未来を読み切ることができるかというと、これが凡人にはなかなか難しい。しかし、それこそが本当に必要で、大切なことだ。その意味で、著者の見解を鵜呑みにはできないが、「いま」という時代を自らの力で読み切ろうとする意欲溢れる読者にとっては、きわめて得るところの多い有意な一冊であることは間違いない。
★★★☆☆ 2008-07-14 どこかで聞いたような話が満載
情報源を明らかにして欲しいです。
いろんな引用をしているようだが、引用文献リストすらない。
いろんな話題が満載だが、どこから得られた情報なのか良く分からない。
筆者を信用せよということかもしれないが。
同様の話は他でも聞くので、公開されている情報源を使っていると思われるから。
サブプライムローンを説明したページはものすごく分かりやすい。
何年も前から実物経済の時代を予測している副島隆彦さんの著作と読み比べてみるのも面白い。
★★★★★ 2008-07-11 「終わりの始まり」シリーズを凌駕する内容だ!
本書は「恐慌」に対するアメリカ必死の攻防をユニークかつ独自の視点から浮き彫りにしている。ユニークな点は・・・以下の通り。
1いま、実は恐慌であること。
2サブプライム問題の総括を名門UBSとベアスターンズを比較検証しながら展開していること。
3中国経済(体制)崩壊を冷徹な目で見通していること。
4中東(原油が出る中東)の景気はバブルであり、実は欧米金融機関に振り回されていること。
5にもかかわらず、いまこそ投資のチャンスであること。
中東の政府ファンドはなぜあんなに欧米の金融機関にポンポン出資できるのか? いま、欧米の金融機関にバンザイされたら、いままで出資した資金がすべてパーになってしまうからだ。つまり「出資」ではなく「追い証」なのだ、と。
これから20年、アメリカ・中国・中東・ロシア等の成り上がり資源国・・・そして日本の金融がどのように動いていくか、豊富なデータと独自の投資観・相場観で解き明かす。
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ルポ貧困大国アメリカ
ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)おすすめ度 ★★★★★
★★★★★ 2008-10-11 大変良い
本書は現在アメリカが抱える諸問題について多々言及しており、これらの殆どがアメリカが抱える自由の結果であり、その諸問題のいくつかをアメリカが日本に輸入したいと考えているが、著者がそれに対し明言はしていないが批判的な意見を述べている点で非常に面白いです。具体的には、サブプライムローン、医療に対する競争の導入、貧困地域の高校生に対する軍事的なリクルート等の問題が扱われています。お勧めの1冊です。
★★★★☆ 2008-09-16 「貧困」が経済システムに組み込まれてしまった国
大金持ちと貧困が同居する先進国、そういったら言いすぎだろうか....、でも残念ながらアメリカの真実です。 日本のメディアではアメリカの国内問題の実態がなかなか報道されない様ですが、この本は、その実態が簡潔に纏められています。
プロローグでサブプライム問題から話が始まっています。 ”サブプライム問題は単なる金融の話ではなく、過剰な市場原理が経済的「弱者」を食い物にした「貧困ビジネス」の一つだ。” 裕福層・中間層に対する住宅ローンが一巡し借り手がいなくなったんので通常ローンを借りれない貧困層をターゲットしローンを組ませ債権は証券化して転売して資金を早期に回収してしまう。 あとで、借り手がローンを返済できなくなっても貸し手は痛くもかゆくもない。 利益の極大化が良しとされるアングロサクソン資本主義の行き着く先が「暴走型市場原理システム」そこでは弱者が食い物にされ、人間らしく生きるための生存権を奪われた挙句、使い捨てにされていく。
一章では、貧困と肥満の関係を取り上げる。 貧困層にたいする福祉、学校給食等がファーストフード産業に巨大マーケットとしてビジネスの対象にされる、そこではコストを下げた所謂ジャンクフードが提供される。 カロリーは高いが栄養価は乏しい。 結果、肥満するが体はボロボロになっていく。
二章では、民営化と自由化が個人の職場を奪い収入の手段失った方々が経済難民化していく姿を追う。 規制が別の見方でみれば保護になっている場合もあるということ。
三章では、医療問題、社会保険制度が充実していないため全て個人の自己責任とされてしまう。 個人向け医療保険にも保険会社の利益至上主義が露骨なまでに影響されている。 医療現場でも病院の株式会社化で利益至上主義が蔓延る現実がルポされる。
四章では、貧困層の若者たちが戦場に送る兵士としてリクルートされていく現実がルポされている。 組織的に貧困に追い込み兵士等で戦場に行くしか生きられない様に仕向けられている。
五章では、戦場が民営化されていく現実、世界の貧困層がそのビジネスを支えている現実がルポされている。
★★★☆☆ 2008-09-06 アメリカを嘲笑していられるのは今の内だけ、成長率も起業率も日本が劣る
貴重な指摘が多いが、本書は全体として巧みなプロパガンダ(政治的宣伝)である。著者の誘導に軽々しく乗っかって米国を嘲笑する向きが多いのは日本社会にとって危険極まりない。
これだけ富の格差が絶望的に大きく、医療に問題を抱えているにも関わらずアメリカの成長率は日本よりも高く、移民の流入によって人口も増え続けている。労働力人口の減少に全く危機感のないどこかの島国よりも遥かに将来性があるのだ。
本書は悲惨な貧困層だけに目を向けることによって、アメリカが巧みに最良の資質を持つ意欲的な人材を世界中から集めている事実を隠蔽しようとしている。アジアのトップ層の優秀な学生は大挙してアメリカの大学を目指し、西海岸ではインド系の多くの技術者や経営者が活躍している。また、起業の容易さとチャレンジを容認・評価する文化は我々の遠く及ぶところではない。こうした事情の紹介では小林由美女史の著作の方が遥かに勝っている。
超・格差社会アメリカの真実
90年代前半のアメリカでの暴動を見て多くの日本人が超大国の斜陽を哀れんでいたが、その後の数年であっと言う間に形勢逆転し、塗炭の苦しみを味わったのは我らが日本であったことを忘れてはならない。
アメリカにはこの貧困の解決に向けて果敢な挑戦を行っている個人や団体(例:コモングラウンド)も数多く、社会貢献の意識と活動の面でも日本は劣勢である。未成年も貧困層支援などボランティアを行うのが当たり前の社会なのだから。この分野に関してはロバート・フランク『ザ・ニューリッチ』と駒崎弘樹『「社会を変える」を仕事にする』が非常に参考になる。
ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態
「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方
アメリカの窮状をいかに嬉々と論じても我々の社会が改善される訳ではないのは明らかであり、我々はアイルランドやイギリスの成長政策から学び、北欧やフランスの再配分政策を真剣に研究しなければならない。経済成長なくして社会保障制度の維持が不可能であることは自明の理である。
資本開国論―新たなグローバル化時代の経済戦略
フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453)) (集英社新書 (0453))
★★★★★ 2008-09-06 憲法9条を変えたい?
憲法9条を変えたいと思う人は多い。
しかし本書を読めば「本当にそんなこと言っていいのかね?」という気にきっとなる。
アメリカの富裕層、タカ派、軍産複合体、アメリカのマスコミは(他国を巻き込んで)戦争をしたがっている。
儲かるから・・・。
しかし、彼らは直接戦地では戦わない。
戦いに狩り出され、現地の罪もない「普通の人」を殺し、「普通の人」の目玉をくり抜くのは、これも普通のアメリカ人なのである。
普通のアメリカ人。一般人。つまり奨学金のほしい「普通の学生」、子供を育てている「普通の父親」。
彼らは、税金の高騰、学費の高騰、食費の高騰、石油の高騰によって簡単に操作され、貧困に追い詰められ、まともな仕事といえば軍関連しかなくなり(詐欺、嘘なのだが)、軍に狩り出される。結果、そうした作業に従事させられた「普通の人」は心のキズを負って帰国して、「普通の仕事」につけなくなって、路上生活をさせられ死んでゆく。国のために戦った愛国者は、帰国して路上で厳寒の中、精神を病み、誰にも見取られず、孤独に死んでゆくのである。
しかし、軍人にもなれない人も出る。
ここが重要である。
彼らは派遣社員になる。
普通のハケン会社に登録するだけである。
派遣社員、彼らはもちろん軍人ではない。
しかし、銃弾飛び交う戦地へ行かされるのである。
その扱いは現地軍人の「奴隷」である。靴も支給されない、砂漠で水も支給されない。
劣化ウラン弾に汚れた水を飲んでも、保障もない。
現地で死んでも、会社の事故で済まされてしまう。そんな派遣社員である。
今、日本で派遣社員。フリーター、非正規労働者が増えたのは、かなり作為的、意図的なのだが、結果どうなるか・・・本書からはリアルに分かる。
それはそれは恐ろしい「SF並の現実」である。
★★★★☆ 2008-08-31 今日本で進行しつつある民営化と進む格差などの現象が重ね合わされてしまう
本書で紹介されているのは、貧困下が進むアメリカで起こっている事実と、それを利用しようとする企業と政府の現実である。
本書によれば、学校給食に食い込むフードビジネスが、マクドナルドやピザハットなどのファストフードであるため、貧困層の多い公立学校では約半分の子供が肥満児になっている。また、ハリケーンカトリーナの被害を受けたニューオーリンズ地区の住民に対して政府が出した救済策は、とうてい無理に決まっている貧困層に対する政府の土地の払い下げである。このため、富裕層が土地を買って、貯水池や高級コンドミニアムになってきているという。さらに、高額な医療費のために無保険者が5000万人近くに増大し、一方で病院にも市場原理主義が進んでコスト削減が進み、医療過誤も急増しているという。
このような現実をいくつも示した上で、著者がもっとも力を入れているのがイラク戦争に関する部分である。大学に通えない貧困層に奨学金が出るといって食い込む米軍のリクルーター。戦争ビジネスとしてチェイニー副大統領がCEOをしていたハリバートン社に見られるような派遣会社が世界中に網を巡らして、貧困国からイラクに労働者を送り込んでいるという現実。
富裕層と貧困層という二極化が進行している中で、これを民営化を進める政府が戦争に活用しているという、市場原理主義が行き着くところまで行ってしまったアメリカ。
ここに、今日本で進行しつつある民営化と進む格差などの現象が重ね合わされてしまう。
エピローグで「消費をやめましょう」とクリスマスシーズンにマンハッタンの玩具店の前で叫ぶ教会の牧師を紹介している。
このメッセージが、これからの世界経済への一つの回答を示しているように思えてならない。
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